子育て世帯の支援と移住定住策 わたしならこう考える
歯止めがかからない人口減少
今月6月に「LIFULL HOME'S PRESS時事解説」に寄稿させていただいた。
テーマは
「全国的に少子化&高齢化が進み都市圏中心部にのみ人口集中 住宅需要の行き着く先は~時事解説」
冒頭の解説では以下のように触れられている。
”2020年の日本の総人口は約1.26億人だが、5年で約3%減少していき、2050年には1.05億人と約2,100万人減少、2020年の83.0%程度の人口になると予測されている。合計特殊出生率:15~49歳の女性の年齢別出生率の合計が例年2.08前後で推移すれば、日本の総人口は増えも減りもしないとされるが、2023年は過去最低であった2005年および前年の1.26を下回ることが確実視されており、日本の人口減には歯止めが掛からず、併せて高齢化も直実に進む状況が続いている。”
大変な時代に突入しますね。
地方自治体の行政計画を見ると、「子育て支援」を謳ってはいない計画はないほどです。
子育て支援・・自分の経験を踏まえると
冒頭に紹介した時事解説でも書いているのですが、
”出産及び子育てに必要なもの、欲しいものはなにか、ということを自分の経験も踏まえて大きくまとめると、一つはやはりお金。子どもが進学していくにつれ、覚悟の度合いが上がっていった。そしてもう一つは親族の手助けだ。私の両親は遠方に住んでいるため、妻の両親の近くに住まいを構え、出産以降、本当にお世話になった。我が家は年の近い二人の子どもだったため、その手助けがなければどうなっていただろうと思うほどである。”
”もし親族の手助けが受けることができない状況であれば、単独で踏ん張るか、知縁の手助けを受けるか、それに代わるサービスを購入するかになろう。そのサービスは一般的に高額であるため、共働きにならざるを得ない。”
子供が小さかった時は、私も働きざかりで、職業柄もあっていつも帰りは遅く、平日は妻が一人で踏ん張っていました。妻は週末になるとヘロヘロになってしまい、私も仕事の疲れが一気にでてしまうので、どうしても妻の両親の手助けが必要だったのです。
それがあってなんとか乗り切れた感じです。
子育て世帯が移住するシチュエーション
様々な自治体では、子育て世帯を呼び込もうとするあの手この手がうたれています。
その多くは、手当などの金銭的支援かと思います。
一方、転勤などの必然的な理由以外で、子育て世帯が他の地域に移住するシチュエーションを考えると、
・子育て環境の整った地域に移り住む
・子育て時期に自分のライフスタイルの変化も求めて移住する
などが考えられます。
親元の近くに移住するというシチュエーションもあるかと思うのですが、どちらかというと、母親と子供が一定期間、親元に里帰りする、というケースの方が多いのではないでしょうか?
いずれにしても、「移住」ですので、当然ながらそれまで暮らしてきたコミュニティから物理的に離れることを意味しており、職の変更も余儀なくされることが多いでしょう。
そう考えると、そのようなシチュエーションで移住を実践できる世帯は、多くの条件をクリアーできた世帯であり、仮にそれまで居住していたコミュニティの中に、子育てを支援してくれる親世帯や知人がいるのであれば、私ならば絶対にその場を離れようとはいないでしょう。
子育て世帯を呼び込むための施策とは
子育て世帯を支援し呼ぶこむ施策を考えた場合、どうしても施策のターゲットとして「子育て世帯」のみを見がちです。
しかし、子育てのシチュエーションを考えた場合、その世帯だけなく、多くの場合それを支援する親世帯が含まれてきます。
仮に子育て世帯が、自分たちのライフスタイルの実現のために移住を考えたとしても、自分たちの親元から離れるのには、よほどの覚悟が必要となるでしょう。
そうであれば、
・子育て世帯
・子育て世帯を支援する親世帯
の両方をセットで迎えることができる施策を考えることが自然ではないかと思うのです。
子育て世帯の親世帯の多くは、リタイア間近、もしくはリタイア後となります。
子育て世帯の親世帯も、自分たちの次の暮らし方を考え始めるライフステージです。
そこで、既存の住宅ストックを活用して、二世帯住宅へ。
または、味噌汁の冷めない距離の近居セット。家と家との間には一緒に耕せる農園。
そのように、既存の住宅ストックをアレンジして、子育て世帯、その親世帯が新しいライフスタイルがイメージできる暮らし方を提案し、行政と地域で支援していく。
そのような施策デザインの方が、子育て世帯には刺さるのではないでしょうか?
もちろん、仕事の環境がそれを許すのではあれば、という条件が付きますが。。
すでに、私の子供たちは大きくなってしまいましたが、
仮に子育て時期に、そのような支援施策があったなら、私の両親、妻の両親のどちらもよんで、
互いに支えあいながら、畑を耕しながら暮らしていくのもアリだったかな、と思っています。
kuwalab 小沢理市郎
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