リサーチの技術 その2 分解と再構築
リサーチにおける「分解」と「再構築」
前回は、リサーチにおける1から10をご紹介しました。
1,とはお客様に初めて接触し、抱えている問題課題をお聞きし、お題をいただくステップです。
この時に、1から10のうち、9くらいをイメージして、3,5,7を組み立てていくことになります。
(詳しくは前号をご参照ください)
今回は、その3,5,7についてご紹介します。
3,5,7とは、ぼやぼやっとして、カタチや色がわからないものを一度分解して再構築するプロセスとなります。
ぼやぼやっとしているものは、そのままの姿を何度凝視しても、カタチや色はわからないままです。
この姿のまま、カタチや色を浮かび上がらせようとしても失敗に終わることが多いのです。
そこで、一度、分解します。
この分解のプロセスで勝負が決まると言っても過言ではありません。
どのような切り口で分解するか。それが勝負なのです。
切り方は与えられた課題によって異なります。
わたしは住宅や不動産を専門領域にしていましたので、まずは需要と供給に切ってみることをよくしていました。
次に、需要と供給の実態はどうなのか。
需要サイドは、本当は何を求めているのか、供給サイドは今後どのような戦略をもっているのか、
つまり、実態と意向でさらに分割してみる。
これで4分割です。
次のステップです。
では、分解されたそれぞれのピースごとに、カタチや色を浮かび上がらせる適切な方法を考えて実践します。
分解することにより、より論点が明確になりますので、アプローチもヒットしやすくなります。
例えば、文献調査、アンケート調査やヒアリング調査、データを用いた定量的分析などアプローチはいくつもありますが、それらを組み合わせて行っていきます。
すると、ピースごとに、角や辺、色がぼんやりと見え始めてきます。
角が見え始めたら、その角度をできるだけ鮮明にするための分析をさらに行います。
辺や色も同じように深堀の分析を行っていきます。
ある程度のカタチや色が見えてきたところで、分解したピースを合体させてみるのです。
これが再構築、3,5,7のプロセスです。
もちろん、鮮明にカタチと色を浮かび上がらせることは難しいのですが、水色の平行四辺形が最も近い、という判断を行うことができるようになります。
最後に、他に考えられるカタチと色の可能性と、水色の平行四辺形であることがお客様にとってどのような意味があるのかを考察し、取りまとめを行います。
これが10のプロセスになります。
4,6,8というのは、分解したそれぞれのピースを調査分析した結果となるので、1の段階ではわかるはずはありません。
ただし、このお題は、どのような切り口で分解することが適切か、つまり3,5,7のプロセスは1,の段階でイメージすることが可能ですので、このお題に対峙するにあたり、どのような作業がどの程度発生するのかはイメージができるのです。
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