空き家のお話 その4 課題の類型ととるべき対策
空き家問題の相談事の変化
特段、空き家関係に特化して営業しているわけではないのですが、各方面からご相談いただく内容は、やはり空き家問題が多いな、と感じています。
しかし、ご相談いただく内容に変化がみられているのも実感しております。
数年前までは、空き家のお話その1でも書いたように「何から手をつけてよいかわからない」とのご相談が多かったのですが、昨今では、ご相談いただく内容がかなり明確化しています。
いろいろな地域からご相談いただくため、その地域の現状と、その現状から想定される問題・課題、そして対応策を大きく類型したものが下図となります。
タイプAは、主に地方都市や農山間地域、タイプBは大都市近郊、タイプCは東京都心をイメージしていただければわかりやすいかと思います。
上記した「ご相談いただく内容が明確になった」というのは、それぞれのまちの特性によって、ご相談事がタイプA,B,Cのいずれかに該当する明確性がみられるようになった、ということです。
首都圏のある市では、空き家が出てもある程度は市場で解決できることを基本認識として、市場の中での解決だけでなく、まちづくりの視点として計画的に利活用を促したい、という
ご相談内容でした。これはタイプBからCに該当します。一方、甲信越方面のある市では、地域を巻き込んだ空き家の相談・対応体制を構築したいとのご相談内容でした。これはタイプAからBに該当します。
行政の皆さまも、「今、我がまちで何をすべきなのか」の課題認識があったうえで、「さて、ではどうやって進めればよいのか」とのご相談事に変化してきたわけです。
空き家問題の大きな一歩
実は、これは大きな一歩です。
これまでは課題認識を関係者間で共有するのにたくさんの時間を要し、結局、クリアに整理できないまま計画づくりを行うため、まるでフォーマットがあるかのように、同じような空き家関連の計画書が大量生産されてきました。
さらに、具体的に何をするのかのリアリティに欠けているのです。
出発地点の段階で、ある程度の課題認識ができていれば、「さて、どうやろうか」というアクションプランにスムーズに入ることができるのです。
これまでご相談いただいた内容を整理すると、やはりタイプAに該当するものが多いな、という印象です。
タイプAでは、行政にかかる負担も大きく、行政サイドでも十分なマンパワーをかけることがなかなかできない現状もあります。
次号その5では、タイプAを中心に、詳しく解説していきたいと思います。
kuwalab小沢理市郎
www.kuwalab.com
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