移住・定住を考える その2 ライスステージ×ライフスタイル

 

イフステージ×ライフスタイル


物事を標準化することは、物事をわかりやすく見える化することで、行動の合理化にもつながり、企業においては業務標準化が盛んに行われている。

住宅双六についても、この標準化作業を行っていたわけだが、住宅双六については、概ねライフステージの変化に支配される工程をたどっていた。

つまり、世帯分離や世帯合流などにより、世帯構成が変化すれば、当然ながら必要とされる住宅の広さや間取りも異なり、利便性や住宅価格とのトレードオフの中で、住まいが選択される。つまり、家族が増えれば、広い住宅が必要だが、都心では高くで購入困難であるし、子育て環境も考慮すると、多少利便性が悪くても郊外の戸建てを購入するというわかりやすい行動であるともいえる。

私も含めて、多くの国民は、この双六を展開する行動が一般的と考えていたであろうし、その双六を展開することを目標にしていた。住宅産業もその標準化されたプロセスに応じて住宅を供給することができた。

しかし、この住宅双六の過程においても多様化が始まった。

これを今では使い古された言葉ではあるが、ライフスタイルの多様化、価値感の多様化と言っていた。

分かりやすい例をあげると、これまでは「あがり」の形態とは考えにくかった夫婦世帯(子供なし)のライフステージでそれ以降のライフステージの変化を止めてしまい、それを「あがり」としてしまう行動である。

つまり、同じライフステージにあったとしても、ライフスタイルの多様化、価値感の多様化により、住宅選択行動が多様化してしまい、すでに標準化ができなくなっていたのだ。

今となっては、定住する場所を決めない生き方も社会的に認知されているが、当時はショッキングな行動であった。そして「DINKS」という言葉も生まれた。

 

移住・定住再考 移住と定住を分けて考える

では、このように、既に住宅双六が崩壊している中で、移住・定住をいうものをどう考えていくのか、である。

まずは、移住と定住を分けて考える必要がある。

移住については、何らかの動機があって、住替えが行われることになるため、それを戦略的に行うのであれば、動機付けを与えるコンテンツが重要になることは言うまでもないだろう。

次回は、「定住」について深堀をしていきたい。


kuwalab小沢理市郎

www.kuwalab.com

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