空き家のお話 その3 脈絡を読む

「何から手をつけてよいかわからない」

 空き家のお話 その1でそのようなご相談をお受けすることが多いことに触れました。


ある意味、そのような感覚になるのは正しいことかと思います。

空き家にまつわる問題は様々です。


様々あるうちのなにかに直面するのですが、そのなにか、だけ見ていたのでは根本的な解決にはならない、ということが理解できているということだと思っています。


そう、個々の問題、個々の空き家だけ見て、対処療法的に戦いを挑んでいってもキリがないのです。

一方、顕在化している課題に対しては、個々に対応していくことも求められる。

何から手をつけてよいかわからない・・・そのような状況になることはとても理解できます。


望ましい対策としては、

地域の空き家問題の特徴を理解しつつ

すでに顕在化している問題に対応しつつ

空き家問題の全容を理解し、それに対峙するためのマスタープランを描き、実行する

言葉では簡単に書けますが、とても難易度が高く、マンパワーも必要となります。

だからこそ官民連携体制というものが必要になるわけです。

官民連携体制については、また機会をあらためて書きたいと思います。


空き家は、はじめから空き家であったわけではありません

何らかの理由により、人が住まなくなり

何らかの理由により、管理がされなくなり

何らかの理由により、市場性を失っている状態となり・・


住宅が「おぎゃー」と生まれた時から時系列でものを考え

その何らかの理由というものをいくつも想定し、その理由が生じる原因を分析していくことが必要となります。


不動産は人間のよう

と「不動産とはなにか?」で書いていますが、

人間には、この世に誕生してから命を失うまで、そのいくつものステージにおいて様々な施策が用意されています。

子育て世帯の支援や、高齢期の住まいへの支援などなど。

住宅においても、そのような考え方をする必要があると思っています。

おぎゃーと誕生してから、空き家になるまでの道筋を、上記した理由と原因によりいくつものシチュエーションを描き、対策を考えていく。

自分で書いていても、本当に難易度が高い技だなと思いますが、地方自治体が策定する空き家対策計画には、是非、このような考え方を取り入れていただければと思っています。


今回は、少し抽象的すぎる文章になってしまいましたがお許しください。

回を重ねるごとに、少しずつブレイクダウンして表現していきたいと思います。



kuwalab小沢



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